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快適な咬み合わせを維持するには

快適な咬み合わせを維持するには

生涯にわたり快適な咬み合わせを維持することは、充実感や満足感を持って社会生活を送るために必要不可欠です。
快適な咬み合わせを維持できるかは、どれだけご自分の歯(天然歯)を残していけるかがカギだといっても過言ではありません。それは、天然歯には“歯根膜”という天然のセンサーが付いており、他の人工物で代替することができないからです。
天然歯を失う3つの原因は“むし歯”と“歯周病”と“破折”です。これらを未然に予防し、早期に治療し、メインテナンスしていくことが重要です。

“むし歯”や“歯周病”は感染症

“むし歯”や“歯周病”は感染症

“むし歯”は口腔内のミュータンス菌(むし歯菌)が砂糖を分解して出す酸によって歯が溶かされて起こります。また、“歯周病”は歯周病菌により、歯の周囲の歯ぐきや骨などの歯周組織がダメージを受けて起こります。
どちらも最初は細菌感染から起こる感染症です。
口腔内は無菌状態にはできませんのでどれだけ菌を減らせるか(プラークコントロール)が重要になってきます。
治療中・治療後のプラークコントロールを徹底していただくことで、良好な口腔内環境を維持していきます。

当院における“むし歯”や“歯周病”に対する取り組み

当院における“むし歯”や“歯周病”に対する取り組み

当院では“むし歯”についても“歯周病”についても、患者さまの口腔内の状態を知っていただくために口腔内写真や染め出し等による”見える化“を図っております。
ひとことで”むし歯“”歯周病“といっても、進行度合いや場所や範囲、咬み合わせの状況など、患者さまによりまちまちです。
そのため、現在の口腔内の状態に合わせて治療方法をいくつか提案させていただいて、最終的に患者さまにより治療方法を選択していただきます。
そして治療後は、改善された状態を維持できるように、患者さまに合わせたメインテナンスを行っていきます。

“むし歯”の進行度合いに対応した治療

“むし歯”はミュータンス菌(むし歯菌)による感染症です。放置すると大きくなり、治療もより複雑で時間のかかるものとなります。そのため、予防・早期治療が大切です。

初期むし歯

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初期むし歯
歯の表面のエナメル質に、歯を磨いても落ちない白いよごれができることがあります。このツヤがなく白く変色した部分が“初期むし歯”です。歯の表面のエナメル質が、むし歯菌の出す酸にわずかに侵される状態です(脱灰)。 この状態になっても、適切なプラークコントロールを続けて、フッ素塗布などの予防処置を並行して維持すれば、エナメル質表面の状態が回復します(再石灰化)。 この“初期むし歯”の状態で予防し、メインテナンスを行っていくことが大切です。

初期むし歯

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歯の表面のむし歯(エナメル質のむし歯)
エナメル質の脱灰が進み、エナメル質に実質欠損が起こった状態です。歯の根元や歯と歯の間、奥歯の咬み合わせの溝の部分に起こりやすいです。
治療法
エナメル質にできた“むし歯”のまわりを少し削り、“コンポジットレジン”という歯科用の白いプラスチックを詰めます。通常、麻酔は必要ありません。

歯の内部まで進行したむし歯

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歯の内部まで進行したむし歯(象牙質まで進行したむし歯)
歯の内部の象牙質まで“むし歯”が進行してしまった状態です。この状態では象牙質は柔らかく変化してしまい(軟化象牙質)、“むし歯”の進行も速くなってきます。茶色や黒色に変色し、冷たいものの刺激でしみるようになります。
治療法
咬み合わせの部分や歯と歯の間の部分にまで“むし歯”が及ぶ場合は、麻酔をした後に削って“インレー”という部分的なかぶせ物で修復します。歯の根元の部分に限局した“むし歯”は“コンポジットレジン”で修復します。
なお、“むし歯”が広範囲に及ぶ場合には、歯の神経の治療が必要な場合があります。

歯の神経まで進行したむし歯

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歯の神経まで進行したむし歯(歯髄炎)
“むし歯”が歯の神経まで達してしまうと、熱いものの刺激でしみたり、何もしなくても痛みを伴ってきます。この段階になると、歯髄は“ミュータンス菌”に感染してしまっているので、歯の神経の治療が必要になります。
治療法
麻酔をして歯の神経を除去して(抜髄)、根管内をきれいにします。この際、感染した象牙質も削り取ります。
当院では、抜髄処置の予後を良くするために、超音波エンドチップによる根管内の超音波洗浄や最新式のエンドモーターなどを使用し、デジタルレントゲンで根管内の確認を行っています。
根管の治療が終了した後、必要に応じて歯の土台を作り、歯にかぶせ物をします。

むし歯により歯の根っこ(歯根)だけになってしまった状態

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むし歯により歯の根っこ(歯根)
だけになってしまった状態(残根)
“残根状態になると、歯の神経は壊死して痛みなどの自覚症状は無くなることが多いです。
しかし、放置すると歯根の先に膿がたまって歯肉の腫れや痛みを引き起こすこともあります。
また、隣の歯、咬み合わせの歯が倒れてきたりズレたりしてきて、歯並びが崩れる(咬合崩壊)の原因にもなります。
治療法
この状態に至っても、可能性がある限りできるだけ抜歯しないで歯根を残すことを優先します。それは天然歯には“歯根膜”という天然のセンサーが付いており、他の人工物で代替することができないからです。
超音波エンドチップによる根管内の超音波洗浄や最新式のエンドモーターなどを使用し、丁寧に感染根管処置を行います。
また必要に応じて、歯根を骨から矯正力を用いて引っ張り出す処置(矯正的挺出、エクストリュージョン)などの提案をいたします。
歯の保存が可能であれば、根管の治療が終了した後に歯の土台を作り、歯にかぶせ物をします。

“むし歯”にならないための3つのポイント

毎日の自宅での“セルフケア”

3つのポイント

毎日の自宅での“セルフケア”
“むし歯”を予防するためには、プラークコントロールが大切です。
“プラーク”とは“ミュータンス菌(むし歯菌)”を含む細菌の塊のことです。時間と共にこの細菌は分裂を繰り返して量を増していきます。
そこで、プラークコントロールによって細菌の絶対量を減らして、“ミュータンス菌(むし歯菌)”が出す酸によって歯が受けるダメージを最小限に食い止めるということが重要なのです。
毎日の自宅での“セルフケア”は特に大切です。皆さんのお口の中の歯並びは十人十色です。歯が重なっていたり、倒れていたり、ねじれていたりします。ですから、皆さん一人一人の歯並びに合ったブラッシングが大切なのです。
当院では、患者さまの歯並び、“むし歯”になりやすさ、“歯周病”に対するリスクを考慮してブラッシング方法を提案しています。また、歯ブラシやデンタルフロスを用いた機械的清掃と、うがい薬による化学的洗浄の併用を勧めています。

歯科医院での定期的な“プロケア”

3つのポイント

歯科医院での定期的な“プロケア”
毎日の自宅での“セルフケア”と、歯科医院での定期的な“プロケア”は車の両輪のようなものです。
当院ではメインテナンス時に、毎日の自宅での“セルフケア”によってプラークコントロールが確実に行われているか確認します。お口の中の状態が変わった場合は、それに合わせてブラッシング方法の変更も提案させていただきます。
また、“プロケア”では、“セルフケア”では対応できない、歯の着色や歯石除去等の歯のお手入れもしていきます。

歯科医院での定期的な“プロケア”

3つのポイント

フッ素の力で“むし歯”をガード
フッ素塗布は子供の歯に行うイメージが強いですが、大人の歯の歯質強化にも有効です。

フッ素の効果

フッ素の効果
歯を強くする働き
歯の表面を“むし歯菌”が出す酸に溶けにくい性質にします。
再石灰化の促進
歯の表面から溶け出したリンやカルシウムの再石灰化を促進します。
酸を抑制
“ミュータンス菌(むし歯菌)”の働きを弱めて、作る酸の量を抑えます。
このように、フッ素には“むし歯”の予防効果があります。
“セルフケア”においては、フッ素入り歯みがきの使用、また“プロケア”においては、定期的に歯科医院でフッ素塗布していくことをお勧めします。